保健室登校したいのにできない!その理由は?

不登校で教室に行けない子供や行き渋りある子供が、「保健室なら行ける」と言うことが何度もありました。学校へ連れてくるのもやっとの保護者にとって、教室に入れなくても学校に行ってくれるならと保健室登校を希望するケースは多々あります。しかし、希望通りにうまくいけばいいのですが、時には保健室登校を断られてしまうこともあるのです。いったいなぜなのでしょうか。

 

 

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保健室登校ができない理由

保健室登校をしたいのに断られてしまう理由はいったい何なのでしょうか。学校によって様々かとは思いますが、おおまかに次のような理由があると思います。

 

本人のためにならない

学校への行きしぶりがある子供も保健室なら行けるということは多々あります。保健室はやらなくちゃいけないこともないし、話を聞いてくれる先生もいる。つまり、がんばらなくてもいい場所。学校の中にもそんな場所が1つくらいあってもいいと私は思っています。しかし、使い方次第では子供の可能性や成長の妨げになってしまうこともあるのではないでしょうか。保健室に毎日登校することによって、勉強が遅れたり、クラスメイトと距離を感じるようになったりして余計に教室へ入りにくくなってしまうということも多々あります。
保健室の利用の仕方や、その子にとって何がベストなのか。よく相談していく必要がありますね。

保健室のキャパオーバー

たいてい学校に1つしかない保健室。大規模校でもない限り養護教諭も1人です。保健室には小さい学校なら毎日5~10人くらい、大規模校では30人前後の来室者がいます。1人1人の訴えを聞いて対応をしてとなると、1日があっという間に終わります。熱が出て休んでいる子供がいるのに、教室で嘔吐している子供がいると呼び出されたり、緊急時には子供を学校から病院へ連れて行くこともあります。私も「体が1つでは足りない!」と思ったことが何度もありました。保健室は具合の悪い人やケガをした人の手当をする場所ですから、何をおいてもそちらをおろそかにすることはできません。学校規模や校内の状況によっては保健室登校を受け入れられないこともあるのです。

 

不登校児童生徒の増加

不登校の児童生徒の数は一昔前と比べかなり増えました。私は小学校にしか勤務したことはありませんが、小学生でもかなりの数の不登校児童がいましたね。学校にもよりますが、中学生ともなるとクラスに1人以上は不登校の生徒がいるというケースもめずらしくありません。不登校の子供があまりにも多く、保健室登校を一度受け入れると他の人からも希望があった場合断れなくなってしまいます。保健室登校の児童生徒を複数受け入れるというのは養護教諭にとって本当に大変なことです。
手がかかろうとかかるまいと、保健室登校をしているという時点で用配慮の子供。他の病人やけが人の対応をしつつそのような子供たちをあずかるのはかなり神経を使いますし、物理的に無理も出てきます。保護者の方は、「居させてもらえるだけでいいので」とおっしゃってくださることもあったのですが、なかなかそういうわけにもいきません。
そんなわけで、学校の方針で最初から保健室登校は認めないというきまりを作っている学校もあるようです。
ただし、別室登校という形で保健室意外の場所で対応していることもあるので、学校側とよく相談してみるとよいのではないでしょうか。

 

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保健室ってどんなところ?

そもそも保健室とはいったいどんなところで、子供や保護者にとって何をしてくれるところなのでしょうか。
保健室では、毎年年度始めに行う健康診断を行う他、学校で児童生徒がケガや体調不良を起こしたときの救急処置を行ったり、児童生徒や保護者に対する健康相談や保健指導を行ったりしています。

保健室は病院とは違いますので、医療行為はできません。ですから、内服薬を与えたりケガや病気の処置を継続的に行ったりすることもできません。基本的には、学校で起こってしまったケガや病気の応急処置を行い、必要であれば医療機関へつなぐといったところまでです。
また、近年では、不登校児童生徒対応のように身体面だけでなく心の面でのサポートも重要な役割になってきています。
そして、そういった心身の健康問題について学校の先生達に上手につないで連携して対応していくのも養護教諭の仕事の1つとなっています。

 

 

保健室登校意外の方法を探る

「保健室登校はできません」と言われてしまった場合、あきらめるとかクレームを言うとかではなく、別のやり方はないか探ってみるのはいかがでしょうか。
保健室がだめなら別室登校という手もあるでしょう。
また、市区町村で不登校児童生徒が通える教室をもっているはずです。学校に行けないのであればそういう場所に行くのもいいですよね。
ずっと家にこもっていると本人も鬱々とした気分になるでしょうし、お家の方にとってもストレスが溜まります。とにかく外に出て誰かとつながることは大切だと思います。本当は、担任の先生と本人がつながれれば1番いいのですが、難しければお家の方だけでもつながりを切らさないようにしていくことをおすすめします。
気の利く担任の先生は、だまっていてもアプローチしてくれますが、実際のところそういう配慮ができない先生もいます。保護者や本人がどんなことに困っているのか、心配事は何か、子供にどんなふうになってほしいのか、しっかり学校側に伝え、一緒に対応を考えていきましょう。担任の先生だけでは心配な時は、管理職先生や学年主任の先生なども面談に入ってもらうとよいと思います。

 

 

まとめ

保健室でも不登校児童生徒への対応は大きな課題となっています。養護教諭として働いていた者としての視点で保健室登校についてご紹介しました。保健室登校を受け入れたくてもできないことがあるということ、またそれ以外にも対処法はきっとあるはずだということ。断られてしまったからといって学校を敵視するのではなく、骨が折れることだとは思いますが一緒に問題を解決していってください。

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