口呼吸の治し方と鼻呼吸との違い

口呼吸-鼻呼吸

口呼吸、鼻呼吸という言葉をよく聞くようになりました。これまで、呼吸は正常にできて当たり前ととらえられており、あまり健康問題としてあげられることはありませんでしたが、最近では、無意識に口呼吸になってしまう人が増えていて、特に小学生では7~8割の子供にその兆候があると言われています。

正しい呼吸とは?

呼吸は生まれてから死ぬまで、絶え間なく続いていきます。1日に2万回、空気の重さにして15kg(成人)もの量が気道を出入りしています。通常、ほ乳類は鼻でしか呼吸できませんが、人は口呼吸を獲得し、しゃべることができるようになりました。

口呼吸はしてはいけないわけではありません。口呼吸の方が気道抵抗が少なく、楽に大量の空気を吸い込むことができます。運動で息があがったとき、会話や歌唱のときなどは口呼吸でなければ行えません。

しかし、そのようなとき以外も口呼吸になってしまうのはよくありません。口呼吸が習慣になってしまうと、歯並びが悪くなる、う歯、気管支ぜんそく、慢性扁桃炎、アレルギー性鼻炎など様々な弊害が出てきます。口は食べ物を食べる、鼻は息をするが本来の役目です。

鼻呼吸の利点

  1. ゴミやアレルゲンの除去 →鼻毛や鼻の奥の繊毛がキャッチしてくれます。
  2. 加温、加湿など外気の調節 →鼻水は1日に1Lも分泌され、ほとんどが外気の加湿に使われます。
  3. 気道抵抗 →深くゆっくりした呼吸をするのに必要です。
  4. 細菌やウィルスの不活化 →鼻呼吸の方が風邪をひきにくくなります。免疫力もアップ。
  5. ネイザサイクル →鼻は2・3時間おきに左右交互に鼻呼吸をしており、常に鼻腔を清潔に保つよう調節されています。

口呼吸の習慣を直すには?

では、すでに口呼吸になってしまっている人はどうやって直していけばよいでしょうか。まず口呼吸の引き金となった疾病があれば、きちんと治療してください。(鼻炎、副鼻腔炎、アデノイド、歯列不正など)

口呼吸鼻呼吸を分けるのは、「舌の位置」です。口を閉じているときに舌先が上顎に接しており、前歯の裏には当たらない位置にあるのが正しい舌の位置です。口輪筋や表情筋を鍛え、きちんと口を閉じることができるようにすることが大切です。

次の体操を3ヶ月行うことによって、9割近くの人の舌の位置が改善することがわかっています。ぜひ、やってみてください。

あいうべ体操

口を大きく開けて、「あー、いー、うー、べー」と動かします。

【ポイント】

  1. できるだけおおげさに、声は小さくてもOK
  2. 1セット4秒前後のゆっくりしたペースで
  3. 1日30セット(3分間)を目標にスタート
  4. 「べー」のときは、舌を思い切り突き出す
  5. 顎に痛みがある場合は、「いー、う-」だけでもOK

鼻呼吸ができているかどうかの簡単なチェックは、「30秒間口を楽に閉じていることができるか」です。鼻呼吸できていないという人は、あいうべ体操に加え、普段から口を閉じるよう意識して生活してみてくださいね。

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