日によって気温差があり、暑さに慣れきっていないこの時期は、熱中症に注意が必要です。熱中症予防として、水分補給をこまめにすることが大切だとよく言われていますが、それはなぜなのか、また、どうすれば効率的に水分を体に吸収させることができるのか、紹介したいと思います。
人間の体は「水」でできている!
人間にとって水が大切な大きな理由は、「人間の体の半分は水でできているから」です。成人だと体重の60%、乳幼児だと体重の70%が水なのです。例えば、成人男性70kgの方だと、42kgが水ということになります。
体の中にある水として、血液、尿、唾液などが思いうかぶと思いますが、このような「細胞外液」は20%だけです。残りの40%の水は「細胞内液」で、文字通り細胞の中に含まれています。人間の体は、どこもかしこも細胞でできていますので、「人間の体は水でできている」と言っても過言ではありませんね。
体の水が足りなくなるわけ
体の中の大切な水は、どうやって体の外に出ていくでしょうか?
- 尿(1日に1200ml)
- 便(1日に100ml)
- 呼気(1日に400ml)
- 皮膚から(1日に600ml)
- 汗(多いときは1時間で1500ml)
涼しくて汗をあまりかかないときでも、生きているだけで1日に2300mlもの水分を失っていることになります。では、水が足りていないとどうなってしまうのでしょうか。
汗が出なくなる→体温調節ができなくなる→熱中症
体温調節ができず、体温が高くなってしまうと、「熱射病」と言って命の危険がある状態になってしまうことがあります。そのような場合は、すぐに救急車を呼びます。また、体の水が足りないときは、尿が出にくくなります。トイレに行く回数がいつもより少ない、尿の色が濃い(濃い黄色~茶色っぽい)のは、水分不足のサインです。注意してください。
効果的な水分補給の方法
人間は、体重の2%の水が失われると強い喉の乾きを感じるようになります。体重70kgの成人男性だと、1.4Lもの水分が失われているということです。そのような場合は、水分と塩分の両方を積極的に補給していかなくてはなりません。
近年、注目されている「経口補水液」は、食塩とブドウ糖を水に溶かしたもので、水分が体に最も吸収されやすい濃度でできています。できるなら、市販されているものがいいと思いますが(正確な濃度で作られており、ミネラル補給もできるため)、自分で作ることもできます。
経口補水液の作り方
水1Lに対して、食塩3g、砂糖40gを正確に計って入れる。好みに応じて、レモン汁などを入れる。
ただし、これを飲めば確実に大丈夫というわけではありません。普段から、コップ1杯ずつこまめに水を飲むなど、意識して水分補給していくようにしてくださいね。