先日、久しぶりに風邪をひいてしまいました。熱はさほど上がらなかったものの、喉がとても痛くて辛かったです。風邪やインフルエンザの予防として、手洗い・うがいは昔からよく言われていますよね。
手洗いは、風邪やインフルエンザだけでなく、ノロウィルスの予防にも効果的です。石けんをよく泡立て、爪や指の間までよく洗うことで、手についたウィルスや菌を落とすことができます。では、うがいはどうでしょう。効果的なうがいの仕方について紹介したいと思います。
うがいで風邪は予防できるのか
そもそも、うがいで風邪は予防できるのでしょうか。健康な成人を、
- 水でうがいしたグループ
- うがい薬でうがいしたグループ
- うがいをしなかったグループ
の3つにくじ引きで分け、それぞれのグループで風邪をひいた人がどれくらいいたかを調べる実験をしました。みなさんは、風邪をひいた人が1番少なかったグループはどれだと思いますか?結果は以下のようになりました。
- 水でうがい・・・・・129人中34人が風邪(26.4%)
- うがい薬でうがい・・129人中46人が風邪(35.7%)
- うがいをしない・・・129人中50人が風邪(38.8%)
風邪をひいた人の割合は、水うがいグループの方がうがいなしグループよりも有意に低くなっています。つまり、「風邪はうがいで(完璧でないにしろ)予防できる」ということです。
正しいうがいの仕方
実験の結果を見て、「あれ?」と思った人もいるかもしれませんが、うがい薬でうがいをしたグループは水うがいグループよりも風邪をひいた人の割合が高くなっています。
実は、うがいをするときに「うがい薬」を使っても、効果があまりありません。うがい薬の消毒作用によって、咽頭や口腔内の正常な微生物や粘膜組織にまで損傷を与えてしまうためだと考えられています。うがいをするのは、「水」で十分なのです。
また、うがいは、水によって原因ウィルスを洗い流すイメージが強いと思います。しかし、喉の奥の方までオエッとなるまで水を入れてうがいをする必要はありません。風邪のウィルスが咽頭粘膜から人に感染するには、酸性環境である必要があります。
うがいをすると、口腔内の環境が改善されウィルスの主要な通り道(感染経路)が清潔な状態になり、感染が起きにくくなります。実際に、口腔内の衛生を保つことで、インフルエンザになりにくくなることが知られています。
手洗いのついででかまいません。うがいもしっかり行うようにしてみてくださいね。