新型コロナウイルス 前代未聞の休校で先生たちは・・・

新型コロナウイルスのため臨時休校という、異例の年度末・年度初めを迎えた学校。誰も経験したことがない事態のため、先生方は混乱と不安の中、手探りで業務を続けていることと思います。子どもが来ない学校で、先生達はどんな思いで何をして過ごしているのでしょうか。養護教諭のお仕事を中心にお話します。

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まずは年度末・年度初めの様子から

前代未聞の年度末

 つい3ヶ月前まで、新型コロナウイルスは自分とは遠い世界のことで、まさか全国的な臨時休校にまでなるとは考えもしませんでした。しかし、状況は刻々と変わり、2月になると1週間後はいったいどうなっているのだろうという不安が強くなりました。
 養護教諭の方たちはよくご存じの学校保健安全法で、新型コロナウイルスが第一種感染症に指定され、その頃から怒濤のように状況が変化していったことを覚えています。
 学校内での感染症対策、風邪や発熱の際の出席停止措置について、中国から帰国した児童・生徒への対応、近く海外渡航していた児童への対応、感染症予防のための保健指導、いじめや心のケアに関する対応、マスクや消毒液の在庫管理、臨時休校期間の過ごし方の指導などなど、ざっと挙げただけでもこれだけの業務が。もちろんこれらの仕事を養護教諭が全部するわけではありませんが、全てが急に決まり、新しいことが次々に舞い込んでくるのです。

 

 年度末は卒業式に関連した行事等も多くあるのですが、実施の可否や方法が決まるまでに時間がかかり、担任の先生方にしても子ども達にしてもストレスのかかる日々だったと思います、これだけ誰も先の見通せない年度末はまさに初めてのことでした。

 

むなしい新学期

 3月、全国的な臨時休校が一段落し、春休みに突入。

 「本当に4月から学校は再会できるのか?」そんな不安を抱きつつ、それでも新しいことが決まるまでは、すぐに子ども達を迎えられるよう準備をしなければなりません。
・4月から始まる健康診断の実施計画と準備
・新学期に配付する保健調査票などの準備
・新年度の健康観察票の作成
・保健室の経営計画
・緊急時対応や保健室利用方法など教職員との確認
・始業式、入学式準備
 保健室では、以上のような例年通りの準備に加え、この状況下で子ども達を学校に迎えるとなると、新型コロナウイルスの感染症対策も万全にしておかなければなりません。
・学校再開に伴う感染症対策マニュアル作成
・児童生徒の体温記録カード作成
・毎日の健康観察と体温記録カードお願いのおたより作成
・校内の消毒について教職員に協力要請とやり方の説明
・教職員の体温記録表作成
・消毒液やマスク等の準備
・始業式、入学式の感染症対策

 

 新学期が始まるまでにこれらのことを準備しなければなりません。しかし、結局多くの学校で、始業式と入学式を実施後、臨時休校が続くことになってしまいました。世間の状況を見れば、学校再開は難しいとわかっていても、決定するまでは準備を進めなければならない・・・精神的にとても疲れる作業でした。

 

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臨時休校中のお仕事

 臨時休校中、多くの小学校では児童の預かりをしています。地域によると思いますが、学童保育が人手不足だったりするところでは、やっているんじゃないかな。どの職場でもテレワークが浸透すればよいのですが、始めのころは特に、臨時休校の意味あるの?というくらい多くの子ども達が学校へ来ていました。
 それでも授業をすることはできないため、ひたすら自習。小学生に1日自習はかなりきついので、図書室へ行く時間や校庭で体を動かす時間も作ります。ただし、全て少人数で、人との密接な接触をおさえたり、消毒を徹底しながら行わなくてはなりません。先生方は、普通の授業をしていた方がずっと楽だと言っていますね。
 また、4月に入学してきたばかりの1年生はまだ何も習っていないので、自習をさせることが本当に難しい。今時の子たちは、すでにひらがなを読んだり書いたりできる子も多いのですが、先生は授業で教えていないことをやらせるわけにはいかないのです。鉛筆の持ち方やひらがなの書き順から、基本はしっかり教えたい。でも、臨時休校中に来ている児童だけに教えては、不公平になってしまう。先生たちはあの手この手で工夫しながら、課題を出しています。
 児童の預かりをしていない小学校や中学校の先生達は、定期的に児童生徒の家に電話をして様子を聞いたり、課題を作成しては各家庭をまわってポストインしたりしているようです。子どもに会えず、授業もすすめられないもどかしさ、先が見えない不安・・・普段の業務の方がずっと忙しい先生方ですが、この状況で精神的に疲れている方も多いようです。

 

 現在、教職員も交代で在宅勤務する学校が増えてきています。養護教諭は担任の先生方のように家庭連絡などの仕事はありませんから、学校再開にむけての準備に力を注ぐしかありません。先回りして準備しても、今後の予定が変更になり全て無駄に・・・ということを年度末から繰り返してきていますが、これまで準備してきたことが全て無駄になるわけではありません。まだまだ子ども達のために準備できることはあるはず。
 次回、学校再開のために養護教諭がしておくことを文科省通知をもとにまとめます。

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