インフルエンザでの学級閉鎖を回避する感染症予防の7つ対策

インフルエンザ-感染症-予防-対策

インフルエンザやノロウィルスなどの感染性胃腸炎が流行する季節になりました。今年は、インフルエンザも胃腸炎も流行開始の時期が例年より早く、すでに多くの学校が学級閉鎖をしています。

私が勤務する学校ではもうじき学芸会を控えており、インフルエンザ等が流行すると延期になってしまうこともありえるため、毎日ハラハラしながら子供の欠席状況を見ています。学校は集団生活の場ですし、小学生はまだ免疫力も弱く、インフルエンザなどは油断するとすぐに広まってしまうのです。

学級閉鎖の基準は?

「あと何人インフルエンザになったら学級閉鎖になるの?」「なんでうちのクラスはインフルエンザの人がけっこういるのに学級閉鎖にならないの?」このシーズンになると子供に必ず聞かれる質問です。

子供たちは、学校が休みになるのかが気になるようです。ちなみに、学級閉鎖になったクラスの子供の反応は「家でゲームやれる!」と不謹慎に喜ぶ子がいる一方で、「学校お休みやだ~」なんて、かわいいことを言っている子もいます。

学級閉鎖は、感染症が広まってしまった場合や、まだ罹患者は多くなくてもこれから広まる恐れがある場合に、これ以上感染を拡大させないためにとる措置です。何人休んだらとか、何日間などの決まりはありませんが、だいたいクラスの20%の子供がインフルエンザ等で欠席した場合は、学級閉鎖になることが多いです(例えば30人学級で6人がインフルエンザの場合)。

しかし、最終的には学校行事のことや登校している子供の健康状態などを総合的に考えて、校長が校医と相談をして決定することになります。

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学校ではどんな予防対策をしているの?

正直に言うと、保健室の先生をしていていつも「難しいな」と思うのは、他の先生方にいかにして「感染症の予防」に意識して取り組んでもらえるようにするかです。私から子供への指導や声掛けも積極的にしていきますが、とても一人では目が行き届きません。担任の先生から日常的に声掛けを行ってもらうことで、子供もその都度予防を意識することができます。

日頃から、手洗いなどを声掛けしてくださる先生ももちろんたくさんいますが、担任の先生方は本当に多忙なため、授業のことや子供への様々な対応にかかりきりになってしまい、感染症予防にまで気が回らないこともあるのです。ですから、しつこいと思われるかもしれませんが、流行が始まる前から同じことを何回も根気強く伝えるよう心掛けています。

学校にもよるとは思いますが、私が勤務する学校で行われている感染症予防策は以下の通りです。

1. 手洗い・うがい

 

感染症予防の基本ですが、しっかり手を洗えていない子も…。手洗いの歌で洗い方を教える、ブラックライトを当てて洗い残しがわかる教材を使うなど、あの手この手を使って指導しています。

2. マスク着用

インフルエンザウィルスは、おしゃべりや咳、くしゃみにより飛沫感染します。咳が出ている人はもちろん、インフルエンザが流行している際は元気な人でも予防のためにマスクを着用させます。低学年の子は、じゃまになってしまって無意識に取ってしまう子が多いのが難点なのですが…。

3. せきエチケットの指導

 

せきエチケットとは、咳やくしゃみをする際に周囲の人に感染症をうつさないようにするための方法です。インフルエンザウィルスは、おしゃべりで1m、咳で3m、くしゃみで5m先まで飛んでいくと言われています。体調がよくないときにはマスクを着用する他、咳やくしゃみをする際はティッシュペーパーで口と鼻を覆うようにします。

4. 教室の換気

寒くなってくると教室でも暖房器具を使います。30人以上もの人がいる教室を閉め切ったままにしておくと、空気がすぐに淀んでしまいます。

毎年、環境衛生の検査で教室内のCO2の濃度を測定するのですが、1時間閉め切ったままにしておくと基準値の2倍近くものCO2が充満してしまいます。休み時間ごとに、こまめに換気をさせるようにしています。

5. トイレや手すりの消毒

特に感染性胃腸炎が流行しているときは、トイレのレバーや扉、廊下の手すり、教室の扉など、子供がよく触るところを中心に塩素系の消毒剤で水拭きをします。

6. 前向き給食

給食は、班になって机をくっつけて食べることが多いと思いますが、インフルエンザ等が流行しているときは、机を動かさず全員前を向いたままで給食を食べるようにします。

7. 集会等の自粛

学校では毎週のように何かしらの「集会」が行われています。インフルエンザが流行しているときなどは、他の学年に広めないよう全校朝会を放送で行ったりします。

インフルエンザも感染性胃腸炎も流行はこれからが本番です。気を引き締めて予防を呼びかけていきたいと思います。

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