重い物を持ち上げたとき、前かがみの姿勢になったとき、「まずい!」と思ったが最後。急に腰に激痛が走り、ぎっくり腰になってしまったことはありませんか?欧米では、ぎっくり腰のことを「魔女の一撃」とも言うそうです。ぎっくり腰になると、腰の曲げ伸ばしだけでなく、立っていることも辛くなってしまい、日常生活に支障をきたすこともしばしばあります。
ぎっくり腰の原因は?
ぎっくり腰になりやすいのは、いったいどんな状態のときでしょうか。
- 生活習慣(姿勢が悪い、同じ姿勢で長時間いる、座り仕事、立ち仕事)
- ストレス(責任の重い仕事をしている、緊張する場面が多々ある)
座ったままでも腰痛になってしまうのを意外に思う人もいるかもしれません。座っていると、重い物を持ったりするよりも運動量は少ないのですが、腰椎に負荷はかかっています。小さな負荷が長時間かかり続ける方が大きなダメージにつながることもあるのです。
姿勢によって変わる腰への負荷
まっすぐに立ったときの腰への負荷を100と考えると、いろいろな姿勢をとった時の腰への負荷はおおよそ次のようになります。
- 仰向けに寝る(25)
- 横向きに寝る(75)
- 立って前屈みになる(150)
- 立って前屈みになり20kgの物を持つ(220)
- 背筋を伸ばしいすに座る(140)
- いすに座って前屈みになる(185)
- いすに座って前屈みになり20kgの物を持つ(275)
前屈みになって重い荷物を持つ時には特に気をつけるようにしてください。
ただの腰痛とぎっくり腰はちがう!!
疲労などで徐々に痛くなる慢性の腰痛とは違い、ぎっくり腰のような急性の腰痛は、腰の捻挫や肉離れが原因となっていることがあります。このような場合、温めたり、マッサージをしたりすると悪化させてしまうことがありますので、注意が必要です。
ぎっくり腰の応急処置
- アイスパックや氷嚢で、痛みのある部分を冷やします。このときに、四つばいになるなど、楽な姿勢をとってください。
- 伸縮性の包帯で、氷を腰に固定しながら数周巻きます。
- 横向き、またはうつぶせになり、楽な姿勢で安静にします。うつぶせの場合は、お腹の下に毛布をはさむと背中が丸まった状態になって楽です。
ぎっくり腰はある動作をした時に突然痛み出すので、きっかけがはっきりと自覚できます。ただ、その動作はあくまできっかけであって、痛みが発生する背景には日常生活の中で蓄積された腰の疲労や緊張があります。
応急処置を行い、数日間安静にしているとたいていは良くなってきますが、ぎっくり腰は一度発症すると何度も繰り返します。ぎっくり腰を繰り返しているうちに他の腰の病気になってしまうこともあるので、甘くみてはいけません。痛みが軽くなったとしても、医師の診断は受けるようにしてください。