オミクロン株の流行により、急速に増え続けるコロナ感染者。
これまでの流行と大きく違う点の1つとして、
子どもの感染があげられます。
デルタ株までのコロナウイルスは、子どもは比較的感染しにくく、
学校でクラスターが発生することも、そう多くはありませんでした。
しかし、今回のオミクロン株は、今までにない早さで子どもに感染が広がっており、
全国で学級閉鎖や学校閉鎖がおこっています。
学級閉鎖や学校閉鎖になる際、保護者は急に学校から、
「明日から〇日間閉鎖です」
というお知らせをもらうわけですが、
特に小学校低学年の小さいお子さんがいて、
仕事もしている保護者は対応に追われてしまいます。
コロナによる学級閉鎖や学校閉鎖は、どんな場合に行われるのか。
令和4年2月現在、その基準はあるのか。
みていきましょう。
【ズバリ結論】コロナによる学校閉鎖・学級閉鎖の基準
結論からいうと、令和4年2月現在は、以下のような基準となっています。
【学級閉鎖】
(①~④のいずれかの場合検討)
①同一の学級において複数の児童生徒等の感染が判明した場合
②感染が確認された者が1名であっても、周囲に未診断の風邪等の症状を有 する者が複数いる場合
③1名の感染者が判明し、複数の濃厚接触者が存在する場合
④その他、設置者で必要と判断した場合
(※ただし、学校に2週間以上来ていない者の発症は除く。)
・学級閉鎖の期間としては、5日程度を目安に、感染の把握状況、
感染の拡大状況、児童生徒等への影響等を踏まえて判断する。
【学年閉鎖】
・複数の学級を閉鎖するなど、学年内で感染が広がっている
可能性が高い場合、 学年閉鎖を実施する。
【学校全体の臨時休業】
・複数の学年を閉鎖するなど、学校内で感染が広がっている
可能性が高い場合、 学校全体の臨時休業を実施する。
こちらは、文科省が出している
「学校で児童生徒等や教職員の新型コロナウイルスの感染が確認された場合の 対応ガイドライン(第1版)」
からの抜粋です。
「絶対にこうしてね!」
というものではなく、
「参考にして、それぞれちゃんとやってくれ!」
というものなので、
必ずしも全国この基準というわけではありません。
公立学校は、市町村や都道府県のホームページなどに載せているところがほとんどです。
各自治体の方針を確認してみてください。
学級閉鎖になるケースや日数を具体的に解説
文科省からコロナによる学級閉鎖の基準が示されているとはいえ、
お役所が出す文書は何せわかりにくい・・・
最終的には各教育委員会の判断になりますが、
具体的にどのようなケースで学級閉鎖になるのか。
そして、何日間の閉鎖になるのか解説です。
ケースその1
1年1組のAさんにコロナ感染が判明。
その翌日、同じクラスのBさんもコロナ感染が判明した。
この場合、同じクラスの複数の子どもが感染しており、
クラス内で感染が広まっている可能性があります。
よって、1年1組は学級閉鎖になる可能性がでてきます。
ケースその2
1年2組のCさんにコロナ感染が判明。
同時に同じクラスで、コロナ感染は不明だが、
発熱と風邪症状で欠席する子どもが4名いた。
ケースその2では、感染が判明した人は1名でしたが、
コロナ感染が疑われる人が複数名出ています。
この場合も、感染がクラス内で広まっている可能性が考えられるため、
学級閉鎖になる可能性が高くなります。
ケースその3
ケースその1とケースその2の状況が同時期に起こった。
この場合、複数の学級を閉鎖することになり、
学年内で感染が広まっていると考えられるため、
学年閉鎖になる可能性があります。
1年3組の子どもは、
クラス内にコロナ感染や体調不良が1人もいなかったとしても、
学年閉鎖で学校に登校することができなくなります。
ケースその4
2年1組でDさんがコロナに感染。
同じクラスの他の子どもには何も症状が出ていない。
しかし、Dさんは発熱する前の日の放課後同じクラスの、
Eさん、Fさん、Gさんと、マスクを着用せず遊んでいたことが判明した。
この場合、感染が判明したのは1名で、
他の子ども達は皆元気ですが、
マスクなしで長時間接していた可能性があることから、
Eさん、Fさん、Gさんは濃厚接触者にあたる可能性が高くなります。
よって、複数の濃厚接触者が出たことにより、
学級閉鎖になる可能性が出てきます。
いずれの場合も、閉鎖の期間は5日程度が目安です。
同じような場合でも、学級閉鎖にならないこともありますので、
あくまで、参考までに。
うちの子は濃厚接触者になるの?
子どもが通う学校で、コロナ感染者がでたと情報が入ってきたときに
1番気になるのは
「うちの子は大丈夫なのか?濃厚接触者にあたるのか?」
という点につきると思います。
オミクロン株が流行する前であれば、
保健所が家族や本人に丁寧な聞き取りを行い、
濃厚接触者にあたる人を判定していました。
学校では感染者が1人出た時点で、一斉のPCR検査をするなど、
濃厚接触者であろうとなかろうと子どもが検査を受けるケースが、
多くみられました。
しかし、令和4年2月現在は感染者の急激な増加により、
保健所から濃厚接触者と指定されるのは感染者の同居家族のみであり、
その家族でさえも、症状がなければ検査を受けられないこともあるとききます。
何が言いたいかというと、
・自分の子どもが感染しているのか。
・濃厚接触者にあたるかどうか。
については、
「わからない」
ということです。
これまで、濃厚接触者の判定でポイントとなっていたのは、
マスクを外し近距離で会話をしていたかという点です。
子ども達の中には、マスクをきちんとできない子どももいますが、
ほとんどの子どもはしっかりマスクをつけており、
学校生活の中でマスクなしで会話をすることはありません。
今までは、そのような対応をしていたこともあって、
学校内でクラスターが発生することは、多くはありませんでしたが、
オミクロン株の感染力は本当にすさまじいです。
感染経路不明の感染者も多く、濃厚接触者であろうとなかろうと、
知らず知らずのうちに感染している可能性は十分にあります。
毎日の健康観察と基本的な予防策を続け、
異変があれば医療機関に相談をしましょう。
現在では、保健所ではなく、学校が発症前2日間の感染者の行動を聞き取り、
学校内で濃厚接触候補者がいるか確認をしている地域もあるようです。
私の知人が働いている地区では、
濃厚接触候補者にあたる人には学校から連絡がいき、
無症状でもPCR検査が受けられるとのことでした。
地域によって、また感染拡大の状況によっても、
このあたりの対応はめまぐるしく変わってくると思いますので、
どうしても心配な方は、問い合わせてみてください。
わからない・・・不安・・・当然です
子どもが通っている学校でコロナ感染者がでると、
ホームページやメールなどで保護者に情報提供がされますが、
具体的な学年など詳しい情報は伏せられているようです。
感染者のプライバシーを考えると妥当かもしれませんが、
保護者としては、自分の子どもや家族の健康を守るため、
気になるのは当然のことと思います。
見えないこと、わからないことがあると不安になるのも当然。
こちらの記事を読んで、少しでも学校の現状を知っていただき、
気持ちの面、行動面で備える助けになれればと思います。