アンガーマネジメントは子育てに効果抜群!「イヤな気持ちを大切にすべき」とは?

イヤな気持ち

子育てをしていると、イライラしてしまうこともたくさんありますよね。頭ではわかっているつもりでも、つい大声で怒鳴ってしまったり、手が出てしまったり・・・。そして夜、子供の寝顔を見ながら反省する日々。もしかしたらあなたもこんな日常を繰り返していませんか?

アンガーマネジメントという手法を上手く利用すれば、イライラしがちな子育てをとても穏やかで楽しいものにできます。当記事では、そんなイヤな気持ちと付き合っていくアンガーマネジメントについて詳しくお伝えしてみたいと思います。

「怒り」はなくせる?

私は少し前まで、日常にあるこのイヤな気持ちをなくしたくて仕方がありませんでした。特にちょっとしたことでイライラしてしまった時や、小さなことで悩んでしまったときは、自分のことがとても嫌いでした。

きっと私と同じように「こんな気持ち早くどっかにいってしまえばいいのに」、「こんな自分を変えたい」と思ったことがある人は多いのではないでしょうか。

このような気持ちになるのは子供も例外ではありません。よく言われる「キレやすい子供」だって、決してキレたくてキレているわけではありません。怒りのスイッチが入ってしまうと、自分では感情のコントロールができず、どうしようもなくなってしまうのです。

その結果、物を壊したり暴力をふるってしまったりするのですが、後になってから「どうしてこんなことをしてしまったんだろう…」「自分は駄目なやつだ」と落ち込むのです。このようなことを繰り返していると、親や先生にたびたび叱られ、友達からも「乱暴者」と見られて、自信をなくしていってしまいます。

では、このやっかいな「怒り」はなくしていくことができるのでしょうか?

「怒り」などの負の感情は、なくしていこう、我慢しようとすればするほど心の中に溜まって大きくなっていってしまいます。その場では、怒りを我慢してなんとかこらえることができても、その後余計にイライラしてしまったり、我慢しすぎて些細なことで大爆発を起こしてしまったりといったように、なくそうと思ってもなくしていける物ではありません。

ないほうがいいように思える「怒り」などの負の感情も、実は心が感じる大事な「気持ち」なのです。そのマイナスな気持ちを心の中から追い出すのではなく、「これも大事な自分の気持ちなんだ」と、受け止め方を変えることが、「怒り」と上手につきあっていくための第一歩となります。

どうしてイヤな気持ちも大切なの?

「怒り」などのイヤな気持ちが大切なのは、ちゃんとした理由があります。例えば、自分の命をおびやかすような危険なことがあったとします。すると、誰しもが「怖い」と感じ、なんとか危険を避け、自分の身を守ろうとしますね。

「怖い」と感じることはイヤなこと。でも、自分を守るためにはとても大切な感情です。心地よい気持ちも、イヤな気持ちも「大切な自分の気持ち」なのです。

「怒り」は、人間関係を崩すただ乱暴なだけの気持ちのように感じてしまいますが、怒りの感情の根底には、相手に理解してほしいけれどわかってもらえない「悲しみ」の感情があります。

私も自分が頭に血がのぼっている時には、「悲しいんじゃない!怒ってるんだ!」と思ってしまいますが、保健室に心を休めにやってくる子供の様子を見ていると、その怒りの根底にある悲しい気持ちがなんとなく伝わってくることがあります。

「怒り」を保健室に持ち込んできた男の子

アンガーマネジメント-子育て-男の子

図工の時間に、友達とケンカをして、イライラした気持ちを落ち着かせようと保健室にやってきた子供がいました。ケンカの理由を聞くと、「一生懸命考えて作った作品を、マネしてるってバカにされて、悲しくなって言い返したらケンカになった」とのこと。

「せっかく自分で頑張って考えた作品なのに、わかってもらえなくて悲しかったんだね」と声をかけると、ぽろぽろと涙を流し泣き始めました。気持ちが落ち着いたのを見計らい、「でも、ケンカはよくなかったよね」と話すと、素直に反省し、すっきりとした表情で教室へ戻っていきました。

このように一筋縄でいかないことも多いですが、もし自分の子供や周りの人でイライラしている人がいたら、そのイライラを否定して追い出そうとするのではなく、怒りやその裏にある悲しみの感情を受け止めるような声掛けをしてみると良いかもしれません。

アンガーマネジメントとは?具体的な実践方法

上記のように、怒りの要因を客観的に見つめて考え方を変えていくことで、感情をコントロールしていけるようにすることを「アンガーマネジメント」といいます。最近では、学校や企業の研修会でもアンガーマネジメントを取り入れているところが少しずつ増えているようです。

「怒り」は、不快な感情ですし、発散の方法によっては人間関係を悪化させてしまうこともあります。しかし、怒ることは決していけないことではありません。怒るような出来事があったにも関わらず、怒りの感情が湧かないというのは不健康なことだと思います。

この「怒り」を押さえ込んでしまうと、いつか大きな爆発を起こしてしまいますし、発散の仕方によっては人を傷つけたりしてしまいます。すぐにできるようにはなりませんが、少しずつ意識して取り組んでいくことで、「怒り」の感情を上手にコントロールできるようになるはずです。簡単なアンガーマネジメントは以下のような流れで行っていくことができます。

  1. 怒りの原因を振り返る
  2. 怒りを爆発させてしまったときのメリット・デメリットを考える
  3. 自分に合った怒りの消火法を見つける

1. 怒りの原因を振り返る

まず、最近怒ったことを思い出してみてください。

  • その怒りの原因は何だったか?
  • 怒っているとき、相手にどうしてほしいと思ったか?
  • 怒りの感情が出てきたとき、手が震える、頭がズキズキするなど、自分の身体に変化はあったか?

思いつく限り、紙に書き出してみましょう。

2. 怒りを爆発させてしまったときのメリット・デメリットを考える

次に、怒りを爆発させてしまったとしたら、どんなメリット・デメリットがあるか紙に書き出します。すると、メリットよりもデメリットの方がはるかに多いことに気がつくはずです。

3. 自分に合った怒りの消火法を知る

怒りを爆発させてしまうことは、自分にとってデメリットの方が多いことを意識付けたら、その怒りを安全に発散させる方法を探します。いろいろな方法がありますので、自分に合った方法を実際に試しながら探していくのがいいかもしれません。例えば、以下のような方法があります。

  • その場を離れる
  • 深呼吸をする
  • 心の中でゆっくり数を数える
  • 前向きな言葉を自分に言い聞かせる

どれも、すぐにできるものばかりですよね。このアンガーマネジメントは、子供でも十分に理解して実践していくことができると思いますし、イライラしがちな子育てにも有効な手法です。ぜひ、親子で取り組んでみてはいかがでしょうか。

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