以前、ラジオで「体調が悪くて病院へ行き、原因はわかったのだけれど、薬局が休みだったから薬をもらえず困った。お医者さんだけじゃなくて、薬剤師さんにも感謝しなくちゃ」という話をしていて、なるほどなあと思いました。
診断されても、薬をもらえなければ治療をしたり、症状を楽にしたりすることができないですもんね。薬にお世話になる機会は意外によくありますので、知っておいて損はないと思います。
薬は体の中でどう効くの?
薬は、体の中の各部位をめぐりながら、いろいろな変化や作用を繰り返していきます。薬は、だいたい次のような順で体の中を移動します。
- 吸収:主に小腸から吸収され、血液中に取り込まれる。
- 分布:血液にのって体内を移動し、作用させたい部位にたどりつく。
- 代謝:役目を終えた薬の成分は肝臓で分解される。
- 排泄:腎臓でろ過され、尿と一緒に体の外へ。または、胆汁中に出て、便と一緒に体の外へ。
一般的に、複数回飲む薬では服用後2時間くらいで効果が出始めます。そして、6時間くらい経つと、徐々に効果が落ちてきます。薬の効果を維持させるためには、服用量と服用間隔を守る必要があるのです。頓服薬は、服用後30分くらいで効き始めます。
薬にいろいろな形があるのはどうして?
薬の効き目の速さや持続時間などは、上の①~④のバランスで決まります。吸収と分布が早いと効果が速く現れ、代謝と排泄が遅いと効果の持続時間が長くなります。薬の形やコーティングを変えることによって、これらを調整できるよう工夫しているのです。ですから、飲みづらいからと言って、勝手に錠剤を砕いたり、カプセル開けたりして飲んではいけません。
また、薬はだいたいどれも元は白っぽい粉です。いろいろな色がついていたりするのは、間違えないで安全に使うための工夫です。
漢方薬とは?
一般的な新薬(西洋医学の薬)は、特定の症状に直接的に作用するのに対し、漢方は、長い期間をかけて病気になりにくいよう体質改善をしていくための薬です。漢方薬で使われる植物や動物、昆虫、鉱物などの天然素材は「生薬」と呼ばれています。
これらを組み合わせたものが「漢方薬」です。主治医や薬剤師と相談をして、新薬とのバランスをとりながら使用していくのがよいと言われています。漢方外来を設けている病院や漢方医がいるクリニックはチーム医療の中で漢方を処方してもらえるのでおすすめです。
ジェネリック医薬品とは?
新薬として初めて世に出される薬は、10~15年くらいの特許有効期間があります。その後、他の製薬会社が同じ有効成分で製造・販売した医薬品のことを「ジェネリック医薬品」と言います。
ジェネリック医薬品は開発までの手間や資金があまりかからないため、新薬よりも安く手に入れることができます。これから、ジェネリック医薬品を使用する機会は増えていくと考えられます。
薬について学ぶ機会はあまりありませんが、よく知って、上手に使っていきたいですね。